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福音宣教ができる小教区共同体
ラウレンチオ 小池二郎神父
 「ビジョンがなければ民は滅びる」
 大阪教区の司祭の5月の集まりに、神言会日本管区長、菊池功神父様と名古屋教区の信徒中山訓男氏に来ていただいて、 名古屋教区で行っている小教区共同体育成の運動についてお話を聞きました。 私は感銘を受けたので、その内容を短くここで紹介します。
 この講演会で、名古屋教区の研修会資料集と「福音宣教ができる共同体教会(小教区共同体)を目指して」という手引書もいただいたのですが、 その手引書に、「ビジョンがなければ民は滅びる」(箴言29章18節)と書き添えられていて、 それが実に名言だと思いました。
 家庭集会
 多くの善良な信徒は、小教区の活性化の必要性を感じ、自分も何かしたいと思っているが、 どこから手をつけてよいか分からないということが多いのではないでしょうか。
 中山訓男氏は米国のカトリックの「リニュー」(RENEW=刷新)という運動にヒントを得て始めた約10人の家庭集会の経験を話しました。
 名古屋教区では毎週あるいは隔週の家庭集会を奨励しているそうです。 中山氏の集会は午後7時30分から9時15分まで。時間を守ることが大切だそうです。 最初に「教会の祈り」の夕の祈りをして聖書を読み、分かち合い、それに丸一時間を費やします。 それからいろいろと話し合うそうです。
 最初の2、3回では本音が出ませんが、会を重ねるうちに少しずつ本音が出て、本音で分かち合いができるようになります。 中山氏の集会は聖書100週間の終わった人が母体となったそうですが、何が母体でもよいそうです。 また、四旬節とか秋とかに、6週ほど集まりをしてもよいそうです。 この集会で、祈りの喜びを感じ、メンバーが本当に親しくなります。
 共同体作りの五要素
 菊池功神父様は、7年間ガーナの20以上の巡回教会をもつ小教区の主任司祭をされるなど経験豊かな方で、 お話は興味深いものでしたが、 テーマに沿った要点は、教会は「聖職位階制」をもった組織である面と、 そのようなものを超えたキリストの神秘体である面とを兼ね備えたもので、 その複雑な関係が、「教会憲章」の第8でよく説明されているとのことでした。(わたしも読み返しなるほどと思いました。)
 それから、この講演の一番肝心のところかもしれませんが、教会共同体的行き方に不可欠な五つの本質的要素があります。 (一)分かち合い (二)学びあい (三)支えあい (四)派遣の使命 (五)祈り。
 この五つの要素は、「リニュー」でも強調されているもので、 菊池神父様が訳された「リニュー」の解説書「キリスト者共同体」(T・S・クライスラー等著、新世社発行)に詳しく説明されています。
 共同体作りが宣教
 菊池神父様は、聖書の次の個所が共同体作りに特に大切であると強調されます。
 「(彼らは)毎日ひたすら心を一つにして神殿に参り、家ごとに集まってパンを裂き、 喜びと真心をもって一緒に食事をし、神を賛美していたので、民衆全体から好意を寄せられた。」
 「民衆から好意を寄せられる」ことは宣教に大切なことですが、 その原因は「…神を賛美していたので」で終わる前の部分全部にあり、それは共同体が作られ成長していくことでもあります。
  リニューとは
 わたしもまだ「リニュー」のことがよく分かったわけではありませんが、 以上の短い文章で、いくらかその特徴をお伝えすることができたのではないかと思います。
 リニューは、トーマス・A・クライスラー神父らによって、 1976年に合衆国のニューアーク大司教区で始まったカトリックの運動だそうです。 基本的な考え方は、第二バチカン公会議の教会の理念と司牧方針、特に「教会憲章」と「現代世界憲章」に基づくものです。
 「リニュー」は、現在、合衆国では130の教区、他の21の国でも130の教区で採用されているとのことです。  「RENEW」のホームページは、 http://renewintl.org/