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『ロザリオの月 実りの喜び』
ラファエル 松本武三 神父
 秋分の日、三重方面に行きました。車窓から、田んぼや川辺のあぜ道に、真っ赤な絨毯のように、万寿紗華がいっぱい咲いていて、 緑に映えてとても美しかった。そして、小さい頃、万寿紗華の花をちぎって家に持って帰ったら、 家が火事になるとお婆ちゃんに叱られたのをふと思い出した。

 梵語で万寿紗華とは、「天上の花、めでたい兆し」の意味。いわばおめでた、慶びの祝いの花です。 日本では、死人の花、お墓の側に咲いているから嫌われるのでしょうか。 とてもユニークな花なのに。確かに、花が咲いているときは葉がなくて、葉が茂っているときは花がなくて、冬には葉も花も跡形もなく消えている。 でも本当は、葉も花も跡形もない冬の時、次の年の花の命の種が息づいているのですよね。

 何だかロザリオの祈りみたいだ。そう思いません?ロザリオの珠を繰りながら祈るアヴェマリアは、葉も花もない冬の種蒔きのようです。 でも、イエスさまは、聖母マリアは、私たちと違ったのです。

 葉も花も跡形もない冬の日に、咲き誇る天上の喜びを観ておられたのです。だから、ロザリオの祈りは、イエスにキリストを 観想するマリアに倣って捧げる心の祈りなのです。

 ロザリオは、聖霊のお告げを受けて身ごもった、マリアの生涯そのもので、出来事を心に納めて、 思い巡らし、教会誕生へのマリアに倣うことです。 それで、イエスとマリアの生涯の出来事をたどる玄義を黙想し、信頼と感謝を持って祈るのです。

 ロザリオの月に、ミサの前に、各地区の先唱で捧げるロザリオの祈りを、マリアさまに倣って、 心から祈りましょう。何よりも困難に直面している方々のために。 また、これからも教会が、神に出会い癒される、最も幸いな場であれるように。

 先月訪問したトラピストの園に、満ち溢れていた命の息吹き、修道者の静かな深い祈りを思い出しましたので、 その時の思い出のスケッチと言葉を贈ります。