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『あなたの扉に導いて』
ラファエル 松本武三 神父
 宇宙船地球号は、イスラム社会の内乱、ニュージーランドの地震による痛み、九州新燃岳の噴火の被害、大学受験における不正行為に、 大相撲の八百長問題といったように、いろいろありますが、神さまは、四旬節に入り、一年の歩みの中で濁った心を新たに、 また生きる喜びを取り戻し、感謝して祝うよう招いてくださっています。
 ノー天気のわたしは、そんな中、今頃になって、ビートルズにのめり込んで楽しんでいます。 40数年も前、世界の若者のハートをとらえ、熱狂の渦に巻き込んだビートルズ。 昨年来わたしは、そのビートルズの全作品から、気に入った曲を選び、マイCDをつくって楽しんでいるのです。
 ビートルズの数多い作品の最後のCD、「Let it be」に入っている「The Long and Winding Road」という曲がとても心に響きます。 皆さん、ご存知ですか。失恋の辛い悲しみの歌かもしれないけれど、とても信仰的です。 「雨に洗い流され、寂しさに泣き濡れ、荒々しく風の好きすさぶ、 長く曲がりくねった道、なぜここに放っておくのか、どうかあなたの扉へ導いて」。 そんな思いのうちに悩み苦しんでいる方は、世の中にたくさんおられるのではないでしょうか。
 「どうかあなたの扉に導いて」いい言葉。それで、わたしは門(扉)であると言われるイエスは、 「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。 休ませてあげよう」といつも待っておられるのです。
 将来への大きな希望を持って、外国で勉強していた愛するわが子が、予期しなかった地震で地中に埋もれ、 いまだ生死がわからない状態の家族にとって、言い知れぬ悲しみ、不安のうちにおられるのではないでしょうか。
 教会が四旬節を過ごし、復活祭を祝うは、どんなことがあっても、 必ず慰めと希望、幸いの扉、道があることを信じて生きているからではありませんか。
 そして、天使ガブリエルに答えた、マリアの澄んだ魂から出たあの謙遜な愛の言葉、「Let it be」。 わたしは主にお仕えする者。この身になりますように、 「Let it be」。によって、救い主キリストがマリアのお腹に宿り、救いの夜明けが始まったのですから。
 皆さん、「回心して、福音を信じなさい」の言葉とともに、灰の祝福を受ける私たちです。 ひとり一人の生活の業を、苦しみのうちにある方々のためにイエスにささげ、祈りましょう。
(函館のトラピスト修道院から津軽海峡の美しい眺め)
(札幌の花川マリア院の聖母子像)