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『 命の生まれ 』
ラファエル 松本武三 神父
 桜咲く、春の訪れ、喜びの4月。教会も洗礼、初聖体、堅信の恵みを受けられた方々と共に、嬉しい 喜び感謝しています。
 そして、ラジオ朝日「信仰の時間」の3月は、私の担当でした。その時の話の一部を紹介します。
いつだったか、忘れたけれど、母に、尋ねた事があります。「お母ちゃん、僕の生まれた頃の写真ないの。」 僕の一番古い写真は、幼稚園の終わりの時のみんなと一緒の写真、一枚だけだもの。 その時、母が言うのです。ごめんね、武三。武三が生まれた時、出来物がいっぱい出来ててね。かゆく て、泣いてばかりだったんだよ。そうか、僕は、戦時中に生まれたんだった。 お母ちゃん、そんな大変 な時に生んで、守り、育ててくれてありがとう。写真どころじゃなかったのにね。

 それで、随分前の新聞に掲載されていた、大阪の河内、八尾市に住んでおられる女性の「バトンタッ チ」という詩の事を思い出しました。
 何だか、とてもあたたかな喜びが、心に残っているものですから。こんな詩です。
 『 あなたがおなかに きてくれたから みんなのやさしさに 包まれる毎日
私たちがもらった たくさんのやさしさに 今はただ感謝の気持ちを 伝えることしか できないけれど
このやさしさを ひとつひとつあなたに 伝えていくから 今度はあなたが 誰かにやさしさを お返ししてね 』
赤ちゃんをお腹に宿した女性の幸せな思い、愛の心が、希望に満ちた喜びが伝わってきます。
「丈夫な赤ちゃんを産んで、お幸せにね」と声をかけたくなります。

 そうそう、赤ちゃんのことで、思い出しました「お世継地蔵」。聞いたことありますか。
おのぼりさん、ぶらり暇にまかせて、会ってきました。京都5条のお寺にありました。
平日の昼下がり、穏やかな空気に包まれていました。旅のカップルが手を合わせて祈っていました。
女性のお腹が膨らんでいました。愛され、祈られながら、この世に生まれる赤ちゃんは、幸せですね。
先ほどの「詩」同様、とても、心和む光景でした。悲しいニュースばかりが流れる中で、嬉しくなりました。

 「バトンタッチ」「お世継」と、「初心忘れず」は 同じ心。
 「お世継」は「初心を忘れず励む」人の手に 受け継がれるものなのでしょう。

 春の桜咲く、喜びの4月。
 「初子」を抱きしめるように、しっかりと、 イエスの心を育て、喜んで伝えてゆける愛の心が、 深まりますように祈りましょう。
感謝のうちに。アーメン。