聖堂棟入口の上に甲子園教会の守護聖人聖フランシスコ吉の銅板製レリーフがあります。
これは、故木村夢庵氏が滋賀県の川副美術鋳造所に製造を依頼したものです。
レリーフの原型を作ったのは、木村氏と親交のあった岡山市で石材店を営む佐々木強志氏の兄の佐々木明氏です。

今回、この記事を書くにあたり、川副美術鋳造所のご好意で佐々木明氏と連絡を取ってくださり、明氏より直接お話を伺うことができました。
明氏は木村氏から「秀吉時代の人なので当然、写真はありませんが、32歳くらいの人なので、
そのように作ってほしい」との依頼を受け、九州で見た外国人宣教師の絵を参考にし、羽織袴姿の吉の下絵を描いたそうです。
6尺ほどのベニヤ板に粘土で等身大の像を作り、それに石膏取りをして石膏像を作る作業は、佐々木氏にとっても慣れない作業で苦労もあったようです。
それだけに、レリーフができあがったときは「自分にとってもうれしい一瞬でした」と述懐しておられました。
新聖堂完成後、据え付けられたレリーフをご覧になったときは、「下から見上げる形になるので、(吉の顔は)もっと長い顔にすればよかった」との感想をもったそうです。
吉のレリーフは当教会のシンボル的な存在となり、その写真は事務用封筒に、また顔の部分は巡礼用の教会スタンプに使われています。
佐々木明氏による聖フランシスコ吉のレリーフの下絵